選手を活かす起用
理想の想い
監督は理想の戦い方や選手起用を思い描く。
しかし、それが思い通りに行かないことも多い。逆に、うまくいかないことのほうが多いといっても過言ではない。
そこですぐそれを変更してはならない。すぐ変更してしまうということは、その戦法や選手に対する信念がその程度だったのかと、選手の気持ちに負の要素が生れる。
現実への適応
かといって、いつまでも成果を生み出さないままでいるわけにはいかない。
思い切った選手起用の変更をしてみることも大事。選手の適性を見抜くこと。選手も周囲の人も既成概念でもって起用し続けてはいけない。
選手もハッとするような、やる気の出る起用法を考えよう。
2人のメジャー経験者の野手
今年の阪神タイガースでいえば、西岡の怪我により、上本の活躍が生まれた。このように、アクシデントから良い成果が生まれることもある。西岡が復帰するにしても活躍をしてる上本の流れを変えるようなことはすべきでなかった。それが、一流といわれる西岡であっても同じ。逆に西岡の為にも自分でレギュラーを奪いもどす起用法をする、監督の配慮も必要だった感想をもつ。
もう一人、福留。実績は十分だが、なかなか結果が出ない。守備も往年のよう動きではないような気がする。チャンスで、関本を代打に出すようなら、違った起用法を考えるべき。福留の力と気持ちを尊重して。
関本と同じように代打の切り札なんだと、新規一転させればよい。何も4打席でなくても、1打席に集中させればよい。それができる選手と思う。試合は、ここで打てば・・・というシーンが必ずある。そこをものにするかしないかで、勝敗が左右される。福留にはそれができる可能性が十分ある。
スタメンには、今成や俊介、緒方、柴田・・・など候補はたくさんいる。たくさんいるから、あの選手この選手と日替わりで使ってはならないと思う。一流選手でも試合に出たり出なかったりでは、結果を残すのは難しいのではないかと感じる。ヤンキースのイチローがよい例ではなかろうか。
1軍半といわれる選手に至ってはなおさら、数試合で結果を求めるのは酷ではないか。ある程度続けて出ることで、成長するのではないか?
では、数いる選手の中で誰を優先して起用していくか。それは結果ではなくプロセスや気持ちをよく観察すること。好球には積極的にバットを振るとか、失敗に対してどのように対処しているのか、将来中心選手として可能性があるか、なかなか判断は難しいとは思うが、それがコーチや監督の仕事ではないか。仕事は、自分のやりたいことに当てはめるだけではない。
話を福留に戻すが、今、代打に専念させてみる時期ではないか。それが、阪神タイガース優勝へのひとつのカギとなるかもしれない。和田監督が、福留に想いを入れ込むのであれば・・・。